今日は、京都で五山の送り火があります。
これでお盆が終わりという、ちょっと寂しい行事ですが、私も大の字を見に行こうと思います。
さて、今日も記述式の予想問題を出題するので、チャレンジしてくださいね。
基本的なことですが、100%正確に理解できているか確認してください。
[No.2]
Aは、重大な過失なく勘違いをしてBから絵画を購入したが、後に重要な錯誤であったとしてBとの売買契約を取り消した。しかし、Bは取消前にこの絵画を第三者Cに転売して引渡していた。AがCに対して絵画の返還を主張できるか否かについて、C側の要件を踏まえて40字程度で記述しなさい。

(解答)
Cが善意かつ無過失であれば、Aは売買契約の取消しを対抗できず、返還を主張できない。(41文字)
(必須キーワード)
・Cが善意かつ無過失(善意無過失)(8点)
・取消しを主張(対抗)できない(6点)
・返還を主張できない(6点)
(解説)
本問は、錯誤による意思表示の取消し(民法95条)における第三者保護の要件を問う問題である。
・錯誤取消しの可否(95条1項・3項)
Aは「重大な過失なく勘違い」して意思表示を行っているため、要素の錯誤としてAB間の売買契約を取り消すことができる(95条1項、3項)。
・第三者との関係(95条4項)
錯誤による意思表示の取消しは、「善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」(95条4項)。
本問のCは、取消し前にBから絵画を買い受けて引渡しを受けた「第三者」にあたるため、Cが「善意かつ無過失」である場合、AはCに対して錯誤取消しを主張(対抗)することができなくなる。
・心裡留保や詐欺との違い(重要)
心裡留保(93条2項):第三者の要件は「善意」のみ(無過失は不要)。
錯誤(95条4項)・詐欺(96条3項):第三者の要件は「善意無過失」が必要。
心裡留保は、自分で冗談と分かって意思表示をしているのに対して、錯誤の場合は自分では勘違い(錯誤)していることを分かっていない。つまり帰責性が心裡留保の場合よりも小さいのである。したがって、第三者に無過失まで要求することでバランスを取っているのである。
・結論
したがって、Cが善意無過失であれば、AはCに対してAB間の売買契約の取消しを対抗できず、絵画の返還を主張することができない。