お盆休みも明日で終わりの人が多いかと思います。
連休が終われば、11月の本試験に向けていよいよラストスパートです。
そこで、今日から時々、記述式試験の予想問題を作って、みんなに解いてもらおうと思います。
基礎的な問題も多く出していくので、答えを見る前に、まずは自分で考えて、解答を紙に書いて、確実に正解できているか確認してくださいね。
記述式問題は、過去問の数が少ないので問題演習の量が足りないと感じてる人が多いでしょう。
ぜひ、予想問題にチャレンジしてくださいね。
[No.1]
Aは、真意では自己所有の高級腕時計を売却するつもりがないにもかかわらず、冗談で「50万円で譲る」とBに申し出た。BはAの言葉が冗談であることを知りつつこれを承諾し、さらにその腕時計を事情を知らない第三者Cに転売した。AはCに対して腕時計の所有権を主張して返還を請求することができるか。Cの状態に言及しつつ、結論とその理由を40字程度で記述しなさい。

(解答)
Cは善意であるため、Aは意思表示の無効をCに対抗できず、返還請求することができない。(42文字)
(必須キーワード)
・Cが善意(6点)
・無効を主張(対抗)できない(8点)
・返還請求することができない(6点)
(解説)
本問は、民法93条(心裡留保)の基礎的な理解を問う問題である。
・原則と相手方の状態(93条1項)
相手方Bは、Aの言葉が冗談(真意ではないこと)であることを知っていた(悪意)ため、AB間の売買契約は無効となる(93条1項但書)。
・第三者との関係(93条2項)
しかし、心裡留保による無効は「善意の第三者に対抗することができない」(93条2項)。
本問のCは事情を知らない「善意の第三者」であるため、AはBとの契約の無効をCに対抗(主張)することができず、Cは適法に所有権を取得する。なお、93条2項の第三者保護要件において、Cの「無過失」までは要求されない(善意であれば足りる)。
善意であれば足り、無過失まで要求されないのは、Aの帰責性が大きいからである。Aは冗談を言っているので大きい帰責性が認められる。そのような帰責性のあるAよりも、善意の第三者であるCを保護すべきだという価値判断があるからだ。
・結論
したがって、AはCに対して所有権を主張して腕時計の返還を請求することはできない。